こんにちは!僕は今旅の途中なのですが、その最中に僕の習慣になっている読書をしています。日本にいる時から日本の小説、海外文学や哲学書、またはビジネス書を読んでいました。
旅に出てからも電子書籍などを利用して読書を続けています。
今回はトルコに行った時に読んでいたトルコの文学作品を紹介します。
といっても僕の読書日記のような内容を書いていこうと思います。
今回はトルコの小説家オルハンパムク氏の作品「無垢の博物館 上」を紹介します。
この作品はイスタンブールを舞台に一人の青年と二人の女性の恋物語が描かれています。
簡単にあらすじを書くとこんな感じ。
結婚を前提に付き合っている1組のカップルが幸せな日々を過ごしていた時に主人公の男性がある店で昔の親戚に出会います。
出会った親戚は昔は幼い子供だったのに今は誰もが目を張るような美人になっていた。
それから主人公はこのヒロインの虜になってしまい、恋人がいるにも関わらずいけない関係になってしまいます。
それからだらしない主人公は恋人とも婚約して、店で出会ったヒロインとも浮気をし続けます。
その後、当たり前ですが、この関係はグジャグジャに壊れていきます。
無垢の博物館 上では主人公とヒロインの関係が壊れ、ようやく主人公がヒロインを手に入れることができると感じた矢先に事件が起こり主人公が絶望に落ちたところで話は終わります。
続きは無垢の博物館 下に続きます。
もしかしたら、ネタバレもしてしまうかもしれませんがそこはご容赦ください。
そもそもこの作品の面白さは、作者が恋物語を描きつつ当時のイスタンブルやトルコの歴史の一部を取り入れていることだと感じます。
当時のイスタンブルも今のイスタンブルもイスラム文化が混ざっているので男女関係には保守的です。
宗教を信じる人は特にこのような男女関係にはとても気を遣っています。
ですが、現代的発展をするために西洋の考え方を取り入れることで西洋的な考え方を持つ人たちが多く現れるようになるのです。
なので、今のイスタンブルもですが西洋的思想とイスラム的思想が対立しています。
この作品はトルコの歴史を知っている人には読んでいてかなり面白いと僕は思います。
もし歴史を知らなくても昔のトルコのことを知れる作品でもあると思います。
また、主人公の心情がかなり細かく書かれていて、正直なことを言うと今の日本人の感覚では気持ち悪いと感じることもあるかもしれません。
恋は盲目という言葉がしっくりくるような内容です。
でも、この主人公の気持ちが男の僕には痛いほどよくわかってしまうんです。その主人公の気持ちをわかるわかると感じながら、こいつはクズだ!ヒロインが可哀想!恋人が可哀想!と怒りを感じることもかなりありました。
男はどこの国でも恋に関しては自分を律せないのだなと思いましたね。
無垢の博物館上ではほとんどが主人公の鬱々しい心情が描かれています。正直序盤は読んでいて退屈を感じてしまうかもしれません。
でも、読み続けると心を揺さぶるような生々しい展開が描かれています。
もう本当に終始女性二人が可哀想に感じてしかたないのです。でもぜひ読んでほしい。
これはイスタンブルに訪れる前に読むべきだったと感じています。
なぜなら、この本に出てくる博物館が実際にイスタンブルにあるからです。
Googleで調べると場所が出てきます。
僕はいけなかったのですが、次回訪れる時は絶対行こうと思っています。
まだ、僕は無垢の博物館上しか読んでいないので下を読んだらまた感想を書きたいと思います!