個展が終わって、立ち止まった春

トルコ旅の雑誌を作ろうと決意した4月。
その頃ちょうど初めての個展が終わり、反省会をしていたんだよね。
それで、個展って来てくれた人に僕は何を提供できたのだろうって感じてた。
その時は、写真を見てもらって旅の物語を語って、
旅に少しでも興味を持ってもらいたいなって思っていたんだけど、
見終わった後に来てくれた人が「この人は何をしている人なんだろう?」って、
はっきりと定義づけられるものが僕にはないなって思った。
それで、個展をすることはゴールではなくて、
むしろプロモーションなんじゃないかって考えてみたんだ。
個展は自分がしていることを発表する場所で、
自分の作品をお披露目して、良いと思ってもらえれば作品を買ってもらえる場所。
でも、その時、僕には作品が一つもなかった。
僕にとって「作品」とは何か
写真は飾っていたけど、
僕はずっと写真家として写真を売って活動を続けることに違和感を感じていて、
写真を撮ることが僕がしたいことではないなって心の中で思ってた。
だから、僕は写真に値段をつけなかったし、売りたいとも思わなかった。
じゃあ僕にとっての作品。
これが僕がやりたいことで、価値あると思えるもの。
それはなんだろうって考えてみたんだけど、
その答えが今は、雑誌や本を作ることなんじゃないかって思ってる。
本や雑誌という「伝える場所」
なんでかと言うとね、
やっぱり本や雑誌は、自分の伝えたいことを写真よりも伝えられるから。
旅が好きな理由は、旅で伝えたいことがたくさんあるからだ。
旅をすることが、こんなにも価値あることなんだって、いろんな人に伝えたいから。
だから、個展が終わった頃、僕は半年後にトルコへもう一度行くと決めた。
その旅で僕は雑誌を作るんだって。
そのトルコ旅も、もうあと半月のところまで迫ってきた。
この半年、お金を貯めて、どんな雑誌を作りたいかずっと考えていた。
でもね、何にも思い浮かばなかったんだ。笑
迷いの中で見えた道筋

初めはどこにでもあるような観光地巡りの雑誌を作ろうと思っていたけど、
それは僕が熱意を持ってやれることじゃないなって思った。
僕の伝えたいことはそうじゃないんだって思ったから。
半年間、考えて、考えて、ようやく道筋が見えてきたんだけど、
それでも、トルコに行ってみないことには構成をうまく決めきれないなって思った。
雑誌作成のプロたちは先に作りたいものを決めて目的地に行くのだろうけど、
僕はそこが曖昧だった。
だけど、それを逆に発想すれば、
僕が旅に出る理由について考えるきっかけになった。
「旅人が土地に物語を贈る」という答え

そんなこんなして出た答えがある。
旅で土地と人、人と人を繋げたい。
そこから生まれたのが、
「旅人が土地に物語を贈る」という発想。
ありきたりかな?
そうかもね。
でも、これだと思った。
僕は僕にしかできないと思えることをしたい。
でも、僕ができることだって限られている。
書きたいし、撮りたい、そして、旅をしたい。
それができるのが物語を書くことだと思った。
雑誌という媒体を選ぶことで写真も加えることができる。
文字だけではない、写真も使ってみんなに旅を送ることができる。
そう思った。
僕の場合、小説を書くセンスはないから、
実際に体験したことを僕の脳みそが受け取ったように物語を紡ぐしかない。
うまく行くかわからない。
でも、この何かに挑戦して行こうって時間が一番ワクワクする。
「FUYO NOMADICA」という名のはじまり

実は雑誌のブランド名ももう決めてて、
本当にこれになるかわからないけど、
僕が創刊号として作りたい雑誌のブランド名はこれだ。
「FUYO NOMADICA」
旅した土地に物語を贈るという意味で「付与する」→FUYO。
NOMADICAはNomad(放浪)+ica(領域)を掛け合わせた造語で、
「放浪するものたちの領域」。
つまり、「旅する人たちが世界に物語を贈る」
そんな思いを込めたブランド名にしたんだ。
今日もこれから部屋で、うまく考えがまとまらないとうわぁーってなりながらも
もがき苦しむよ。笑笑
でも、僕はこれからがすごく楽しみなんだ!