ジョードプルについた僕は次の日から観光をしようと張り切っていた。
外に出るとインドのいつもの光景のように牛やヤギ、ハトや人が交差しながら移動している。
ここにきてよく地面を見るとどの街よりも注意して歩かなくてはいけないと感じた。
そう。落ちている。
そこらじゅうに動物達のものか人間のものか分からないものがたくさん落ちてがいるのでしたばかり見て歩くハメになった。
ジョードプルにはそこまで多くの観光地はないので僕は宿近くの時計塔やブルーシティと言われる街並みを見て回った。
ブルーシティと言われるほど青く街が彩っているわけではないが、ずっとそれらを見ているとなんだか不思議な気持ちになる。
なんで、こんなにも沢山の人々が自分の家を青く彩ったのだろう。
それは諸説あって熱を持たないようになどと言われているようだけどそれなら白でいいじゃないかと思わなくもない。
近くでよく見るとインドの建物はアスベストを含んでいそうな素材をしている。
僕がなぜそう思うかというと僕の家では知らずにアスベストを使っていて20年間僕はアスベストの中で暮らしていたからだ。
アスベストは有害なのだ。
やっぱり写真で見るだけでは分からないなと思ったりもした。
僕がこの町で1番楽しみにしていた場所はジョードプルの城塞だった。
城塞は一日使って天気のいい日に観光しようと考えていた。
とても楽しみで僕はとてもゆったりこの街を観光しようと考えていた。
3日4日と時が過ぎてそろそろこの街を出るからそろそろ行こうと考えていた翌日僕は腹部に違和感を感じていた。
あれ?何が起こっているんだ。
その後数時間後からずっとトイレに座り込むようになり、夜も寝れなくなった。
僕はデザートを最後まで取っておいたせいで1番見たいものを断念せざるを得なくなった。
旅先での食中毒はとても辛いもので僕は数ヶ月の旅だから特に問題ないのだが、数週間の旅の場合はその半分くらいを体調不良で無駄にしてしまうものだと思う。
インドはそれが起こる確率がとても高いと思う。
僕はそれから2週間くらい違和感が残り万全な旅はできなかった。
だから、ジョードプルを去る時も下痢止めを飲んで数時間の列車の移動を乗り越えた。
どれだけ苦しかったか。
でも、そのおかげでわかったこともある。
インドではこのようなとき薬局に行けばかなり安く薬が買える。
これから何度も起こるであろうことへの耐性ができた気がした。
ジョードプルでは5日間いたが、たまたまオフシーズン、日本の梅雨のような日々が重なりほとんど外に出れないことが多かった。
雨が降った日には僕が普段歩いていた道は急に川に変わる。
川といつまでもドブ川という方が正しく、これはジョードプルの汚い道を綺麗にするためには最適な掃除方法だと思う。
あちこちに散りばめられた汚物は自然の力で数時間ほどで全て流され、掃除される。
僕はそれを見たときとても感動したが、同時に僕の膝くらいまで覆っていたあの茶色い水はそれらが混ざった混合物だったのだ。
僕の革靴に少し残った水を宿のトイレで入念に洗った。
たぶん、こんな経験はもうしないだろう。
次の日スリッパを買った。