イスタンブールの写真を撮りたくてよく僕はトルコを旅する。
トルコ人からはなんでイスタンブールなの?と言われることも多い。
何度もトルコを旅していたらだんだんディープなところを好きになるのでは?という意味も含まれているのかもしれない。
でも、僕はどこを旅しても結局はイスタンブールに戻ってきてしまう。
正直どこもかしこも懐かしいなと思うほどになってしまった。
でも、この街は古いようで急速に近代化に向けて進化している。
例えば去年は中途半端にしか使えなかった電子決済やUber、トイレの改札、変わらないと思っていたお店の数々。
いろんなものが一年のうちに新しく入れ替わり、便利になり過ごしやすくなっているように感じた。
それと同時に物価高になって困ったりもするのだけど。
でも、それでも、僕は相変わらずこの街の写真を撮るのが好きだ。
だから、またここにきて写真を撮り続けている。
昔はボスポラス海峡、金角湾を運行する船舶を見張るための施設だったが、今ではイスタンブール有数の絶景スポットとして朝から晩まで大勢の人が上へ行くための階段に長蛇の列を作っている。
僕はちなみに登ったことがない。興味はあるけどあの列を見るとうんざりしてしまう。
トルコの観光地はそんな場所が多い。
イスティクラル通りを運行するノスタルジックトラム。
無賃乗車を試みる多くの子どもや大人たちが寄生虫のようにしがみつく様子がなんとも面白い。
僕はこれが意外にも好きだ。
ちなみにイスティクラル通りには昔のイスティクラル通りの写真が展示されている建物がある。
そこでは昔のイスティクラル通りの姿と今も現存する古いチャイの家がある。
建物の中で人々が横に並んでチャイを楽しんでいる姿がとてもノスタルジックだ。
イスタンブールの港はどこに行っても情緒あふれる景色が見られる。
どこからでも見えるモスクのシルエットやガラタ塔。
フェリーに乗ればカスミがかるモスクの姿がとても良い。
夕方になれば大勢が港に集まり景色を眺めている。
人々は何を思いながらそこで過ごしているのだろう。
イスタンブールで最も古い地域ではないかと思う場所。
イスタンブール人が今でもノスタルジックな暮らしをしている場所。
でも、一つ問題が。
どう見ても治安がいいようには見えない。
人々が飛ばす視線は警戒しているというメッセージを出している。
トルコの友人にもよくこの地域は気をつけてと言われる。
だからといって行かないわけには行かなかったが、行くと自動的に身が引き締まるのがわかるような地域。
日本が好きらしくてこのカフェに行くとよくアニメのセリフを使って会話をしようとしてくる。
日本にいたら厨二病と言われるだろうが、外国人だとなんだか違ったように見える。
日本を好きでいてくれてありがとうという気持ちになる。
1ヶ月ぶりに行ったが、覚えていてくれて嬉しかった。
今日は写真を撮らないつもりで散歩していたのだけど結局多くのシャッターを切ってしまった。
イスタンブールにいるとふとした時に撮りたくなる。
というよりも何かをずっと探しているような気分になる。
それだけ僕にとっては刺激的な街なのだ。
いろんな国から人が集まり、いろんな文化を吸収したこの街は今も進化し続けている。
イスタンブールを愛している多くの写真家と同じように僕もこの街を愛している。