僕の思っていた旅とは少し違った。
毎日が冒険のような生活とは違っているし、日本で生活している時と何かが大きく違うとも思わない。
僕の旅はネパールの僻地へ行ったり、インドのガンジス川でダイブをしたりという冒険はあまりなく、どちらかというと東京で生活していた時のような何気ない生活の延長のようなもの。
でも、これも旅だと思う。
旅には人それぞれの色があって、危険やワクワクに満ちた人もいれば、どこに行ってもあまり変わらない人もいる。
退屈でつまらない旅であっても最近は良いんだろうなって思う。
僕の旅にもふとした瞬間に思いがけない出会いや腹の立つような出会いがあった。
僕はそんな旅が好きだ。
こう思えるまで約一年かかったのだけど。
Instaのストーリーで毎日退屈だとつぶやいていたのを思い出す。
それでも旅をやめなかったから今こう感じることができているんだと思う。
まぁ、その旅のせいで人と関わることが働いていた時よりも著しく減ったからどうやって人に話しかけて良いのかわからなくなってしまったんだけど。
後、人がいないところに身を隠すようにもなった。
それでも良い旅だと思う。
最近、好きな葬送のフリーレンというアニメがあるんだけど。
そのアニメに「終わった時にくだらない旅だったといえるような、楽しかったと言える旅が僕はしたい」という表現があった。
その言葉を聞いて心の底から風が僕を押し上げてくれるような清々しい気持ちになった。
僕はずっと誰かが自分を認めてくれるような旅をしよう、YouTubeで認められるような旅をしよう、お金を旅で稼ごうみたいなことを考えていたように思う。
だから、旅の最中にいろんな瞬間を楽しめていなかったのかもしれない。
高校の時に僕が憧れた旅は異国で騙されて一文なしになったとか、ピラミッドで○○したとか、知らない人と仲良くなってそのまま一緒にバカしたとか、
なんでもない普通のことなんだけど少しマヌケでくだらない旅だった。
その視点で見れば、僕のこの一年の旅もそんなことばかりだった。
トルコ語を3年勉強して現地に行くとこんにちはしか言えなかったり、タイでは英語話せないのに誰もいない高台にロシア人女性と2人きりで取り残されて気まずい沈黙を過ごしたり、毎日クラブに通ってクラブ仲間ができたり、語学学校でいろんな人と仲良くなったり。
オーストラリアではファームでたまたま一緒になった人たちとなんかすごく青春な時間を過ごしたなー。
インドではデートした女の子にあれこれさせられて金ないのに1日で4万くらい無駄使いさせられた。
タバコ吸わないのにマリファナをカッコつけて吸ってみたら死ぬほど後悔したこと。
僕の隣でホームレスが僕のタバコをじっと見つめていたこと。
思い返すとくだらない。くだらなすぎる。呆れてしまうような日々ばっかりだった。
でも、そんな旅でも振り返ってみると幸せだったんだなって思える。
これが旅なんだと思う。
何かを得るためとか、この旅でお金を、ビジネスをみたいな利益追求ではなくて、僕がしたかったのはこんなありきたりな旅。
そうだな。
これからもこういう楽しい人生を生きていけると良いなー。